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JSR株式会社 小柴満信社長 入社式訓話の要旨について

企業情報 2010年04月01日
 JSR株式会社の小柴満信社長は、本日午前9時から行われた入社式で、本社採用の新入社員29人(技術系23人、事務系6人)に対し、以下の訓話をしました。

 入社おめでとう。皆さんの若い力とバイタリティ、それぞれの個性がJSRの財産である。皆さんが新たな活力となり、JSR及びグループ全企業のさらなる発展と成長に結びつくことを心から期待している。

 JSRはこれまで、2002年から取り組んできた中期経営計画においてファイン多角化事業、すなわち、電子材料や薄型TVに代表されるフラットパネル・ディスプレイ材料などの事業を成長させ、事業変革を行ってきた。今年度は、さらなる事業変革を目指して取り組んでいる4ヵ年の中期経営計画「JUMP2010」の最終年度であり、2010年代を生き抜き、更なる成長発展を遂げるための長期ビジョンと新中期経営計画を策定する重要な年になる。JSRの掲げる「Materials Innovation」、すなわち「マテリアルを通して価値を創造する」という企業理念のもと、今後の長期ビジョンを描いていこうと考えている。

 2010年代は不確実な時代が続くと考えている。過去数年の間に、米国サブプライムローン問題、リーマンショックに端を発した金融危機、その後の世界経済の激変、今も続く雇用問題、各国政府による景気刺激策、金融緩和、中国、ブラジル、インドに代表される新興国市場の台頭など、世の中は大きく変化している。

 このような市場や経済環境の激変は、もちろん今回が初めてではない。JSRは2007年に創業50周年を迎えたが、改めて歴史を振り返れば、企業活動の活力や成長の源泉は「人材」であるということを再認識させられる。皆さんには、企業の持続的な成長の源泉は「人材」がすべてであるということを強く伝えたいと思う。JSRは「人材」を継続的に生み出す組織であるために人材教育に力を入れている。JSR社員というだけでなく、世界のビジネス・技術で通用する人材に育ってほしい。
 そこで皆さんへの期待を込めて、JSRで求められる3つの人材像を示したい。

 第一に、「それぞれの担当レベルで、グローバルレベルでの競争力を有するプロフェッショナル」となって頂きたい。JSRはグローバルに事業展開し、グローバルでの成功が求められる会社だ。これから担当する業務についても、常にグローバルな視点を忘れず、その分野でのプロフェッショナルを目指して欲しい。グローバルに活躍するには、論理性をもちフェアな判断ができること、特に自分が追い詰められても論理性を持ちフェアに誠実に行動できるかが重要だ。

 第二に、「環境変化に柔軟に対応し、現状維持に甘んじることなく、イノベーション・変革を推進する挑戦者」となって頂きたい。激変の時代では、現状維持とは後退しているのと同じ意味だ。自分が現状維持に陥っていないか、常に挑戦の姿勢を持ち続けていられるかを確認してみてほしい。

 第三に、「色々な価値観を受け入れ、多様化する世の中に対応できる人材」となって頂きたい。事業活動がグローバル化すれば、顧客やJSRのグループ企業も自然とグローバル化し、日本の常識や理屈が通じない場合が多々出てくる。身近なところでは、世代間、男女間の価値観の相違も存在する。高度成長時代は横並びで、とにかく猛烈に働く社員が評価される傾向があった。しかし、今後は自分の働く時間をしっかりと管理して、生産効率を上げ、余暇をつかってリフレッシュしたり、家族とともに時間をすごしたり、自己研鑽に活用するということが要求される。こういった色々な価値観を受け入れ、多様化する世の中に対応できる人材が求められる。

 現在進めている中期経営計画「JUMP2010」の中で当社の行動規範として、Challenge、Communication、Collaboration の「3つのC」を掲げている。今まで述べた3つの人材像を実践していけば、この3つのCは自然と達成できると思うので、是非とも入社のときの高い志を保ちながら、3つのCを実践してほしい。

 最後に、企業で長く活躍していくには、何よりも肉体と精神の健康が重要だ。ワーク・ライフ・マネージメントをしっかりと実行して、元気で活躍してほしい。


 <参考>
 本日の入社式にて。