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2010年 社長年頭のごあいさつ

企業情報 2010年01月05日
 新年おめでとうございます。
 2010年の経済状況は、底入れから緩やかな回復過程にあるとみられますが、ピーク時との乖離はいまだに大きく、十数年ぶりの円高や、原材料価格の上昇など、予断を許さない、厳しい状況が続くものと思われます。
 また、このたびの世界同時不況を契機に、多様化・多極化に向けた世界秩序の変化が、非常に速いスピードで、かつ劇的に進んでおります。地球温暖化、エネルギー問題、食料・水問題がグローバルな課題として取り上げられるとともに、世界経済の牽引役が新興国に移りつつあります。これまでの価値観にも変化が見られ、高機能で高付加価値なもの一辺倒では今後の成長は望めないものと思われます。
 こうした変化のうねりは2010年代の前半まで続くものと思われますが、その間、予想の難しい不確実な航路を進むこととなります。この「不確実」な時期にこそ、企業の真の実力が問われます。足元をしっかりと固め、次の成長のステップに向けた取り組みを強化しなければならないとの思いを新たにするところであります。
 当社は現在、既存事業の収益拡大と、新たな柱となる事業群の創出を目指して、2007年度から四ヵ年の中期計画「JUMP2010」に取り組んでおります。
 最終年度となる2010年度は、中期計画の目標に向かい、以下の重点課題に取り組んでまいります。
 まず、「基盤事業」と位置づける石化事業、電子材料事業、ディスプレイ材料事業においては、売上が30%減少しても利益が出せる体質を目指し、より一層のコスト削減による収益の安定化を行いグローバルな競争に打ち勝つ競争力の再構築を図ります。
 「戦略事業」として取り組む精密材料・加工、機能化学品、情報電子、環境・エネルギー、バイオ・メディケアの5分野に関しては、今後のJSRの成長の牽引役と位置づけ、これまでの成果を土台に、経営資源を積極的に投入し、事業として確実に立ち上げてまいります。
 さらに、JSRグループにおける環境経営のあるべき姿を明確にするとともに、新たな事業機会を捉えた具体的な事業創出シナリオを描いていきたいと考えています。
 これらの課題に加えて2011年度以降に向けた次期中期計画の策定にも注力し、20年先である2030年を見据えて、向こう10年の方向性・目標を示す計画を取りまとめてまいります。
 CSR(企業の社会的責任)活動につきましても、グループを挙げて一層の充実を図ってまいります。法を遵守し、環境や安全に配慮し、社会的に公正な行動をとっていくことは、事業活動の大前提です。とくに環境・安全を第一優先として捉え、製造部門をはじめとした全部門において環境・安全レベルの維持向上に努めてまいります。
 厳しい経済環境ではございますが、当社が企業理念として掲げる「新しいマテリアルを提供し、その価値により豊かな人間社会(人・社会・環境)の実現に貢献する」という社会的ミッションの実現に向けて、社会変革を起こすイノベーションが創出できるよう、グループを挙げて取り組んでいく所存でございます。何卒、倍旧のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。