競争力には、20世紀までの市場においては“自己変革力”“マーケットシェア”“品質”“価格”という4つの軸があったと思います。21世紀の市場では、それらにプラスして“Sustainability Innovation(持続可能性の追求)”という“第5の競争軸”が求められると考えています。つまり、自社の価値向上と、社会や環境の価値創造を完全に同じベクトルで捉える企業が支持される時代になるということです。例えば、気候変動やSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)へのプロアクティヴな対応が挙げられます。また、20世紀型市場における労働生産性は、「投入資源を減らしつつ、同じアウトプットを獲得する」もしくは「投入された資源の効率的活用により、アウトプットを増やす」方向で取り組まれてきました。しかし、21世紀型市場における労働生産性は、「創造性・革新力の発揮により、新しい価値を創出する人材や組織的能力の向上」あるいは「広い層の社員の参画および外部との協働により、限定された部署・社内だけではできなかった価値の創出」という方向になると考えています。