ホームCSR事業活動によって生じる社会的課題 地域・社会とのコミュニケーション

SRI指標と銘柄への組み入れ

事業活動によって生じる社会的課題 地域・社会とのコミュニケーション

1.地域・社会とのかかわりについての基本的な考え方

JSRグループは、これまでも地域活動を中心に各種の社会貢献活動に取り組んできましたが、活動を一層本格化させるための指針として、2009年1月に「社会貢献についての基本的な考え方」を制定しました。私たちはこの指針に沿って取り組みを推進しています。

社会貢献についての基本的な考え方

  • (1)企業理念に基づき事業活動を通じて社会に貢献することに加えて、社会の責任ある一員として、社会的要請・社会的課題の解決に積極的に取り組みます。
  • (2)JSRが事業の基盤をおいている「化学・技術」の知識・技能を活かして、暖かみのある社会貢献活動に持続的に取り組みます。
  • (3)社員一人ひとりが社会との接点を持ち、自発的に社会貢献活動に参加することを積極的に支援します。

また、2010年には「災害義援金拠出基準」を新たに制定し、災害義援金を拠出する際の判断基準を明文化しました。この基準の制定により基準が明確になり、より迅速かつ公正な拠出が可能になりました。

2.体制

社会貢献委員会にて、JSRグループが取り組むべき社会貢献活動を検討し、推進しています。

体制

3.2016年度の取り組み

2016年度にJSRグループが実施した、主な社会貢献・地域貢献活動を紹介します。

(1)社会福祉

① 献血活動への参加 国内外各拠点

献血活動への参加JSRグループは、国内外各拠点の自主的取り組みとして継続して献血活動に参加しています。2016年度は長年献血事業の推進に協力したとしてイーテックが「厚生労働大臣感謝状」を授与されました。

② JSR Micro Korea Co.,Ltd. 愛の分け合い会 老人福祉会館へ果物を寄付

愛の分け合い会JSR Micro Korea Co.,Ltd.は、2016年9月にオチャン科学産業団地内の企業と協力して、近所の老人福祉会館を訪問し、果物を寄贈しました。

③ JSR Micro Taiwan Co.,Ltd. 書籍の寄付

書籍の寄付JSR Micro Taiwan Co.,Ltd.は、読書啓発のため、2017年2月に近隣の12の公機関に保有する書籍を寄贈しました。

④ JSRグループ 東京地区、四日市地区、筑波地区 外国コイン募金活動

外国コイン募金活動JSRグループでは、2009年より、公益財団法人日本ユニセフ協会を通じて世界の子どもたちの支援事業に役立てる外国コイン募金活動を継続して行っています。
これらは開発途上国の子どもたちの生命と健康、権利を守るためのユニセフの活動に有効に活用されています。

⑤ JSRグループ 東京地区 フードバンクへの寄付

JSRグループの東京地区では毎年9月の防災の日に合わせ、防災用品・非常食の見直しを行っています。カンパンと水は古いものから順に試食などで差し替えていますが、賞味期限が1カ月以上あれば有効利用できることから、従業員有志から募った試食・試飲用のカンパンと水をフードバンクである特定非営利法人のセカンドハーベスト・ジャパン(2HJ)に寄贈しています。
2HJは、企業や農家、個人から様々な理由で処分されてしまう食品の提供を受け、食べ物に困っている施設や人に届ける活動を行っています。

⑥ JSR 四日市工場 アルミ缶回収活動への協力

JSR 四日市工場では、2010年10月から四日市市の障がいを持つ子どもたちの自立支援団体、社会福祉法人「あいプロジェクト」および障害者自立支援施設「たんぽぽ」のアルミ缶回収活動に協力しています。アルミ缶は、多機能作業所におけるアルミ缶つぶしの作業に役立ち、また、アルミ缶回収は、障がいを持つ子どもたちが社会・人と接する良い機会となり、自立の道にもつながります。今後もこのプロジェクトに協力していきます。

⑦ 東京地区、四日市地区、JMエナジー エコキャップ運動

PETボトルキャップ回収箱とアルミ缶回収箱(JSR 四日市工場)

PETボトルキャップ回収箱とアルミ缶回収箱(JSR 四日市工場)

通常はゴミとして焼却してしまうペットボトルのフタを収集し、再資源化業者へ売却することにより得た資金で世界の子供たちにワクチンを届けるという活動です。JSRグループでは2009年より、継続して実施しています。

⑧ JSRグループ 東京地区、四日市地区 「TABLE FOR TWO(TFT)」プログラム

感謝状JSRグループでは2010年2月より、TFTプログラムに参加しています。TFTとはアフリカの子どもたちと食事を分かち合う取り組みです。TFT指定の食事を購入すると、ヘルシーな食事をとれるうえ、1食あたり20円が開発途上国の給食1食分として寄付されます。
また、四日市地区では飲料自動販売機を通じた活動(CUP FOR TWO)を継続中です。

(2)健康・医学、スポーツ

① JSR グローバルな健康問題解決のための寄付

特定非営利活動法人国境なき医師団日本のHIV/エイズ治療などの継続的な医療援助活動や、コレラやマラリアなどの感染症対策活動に賛同し、寄付をしています。

② 四日市地区 女子サッカーなでしこリーグ「伊賀FCくノ一」の協賛

女子サッカーなでしこリーグ「伊賀FCくノ一」の協賛JSRは、なでしこリーグ「伊賀FCくの一」を応援しています。「伊賀FCくの一」は、三重県唯一のプロスポーツチームです。当社は、地域社会のスポーツ振興に貢献していきます。

(3)学術・研究

① 化学人材育成プログラムへの参加

化学人材育成プログラムは、経済産業省の「化学ビジョン研究会」が2010年4月にまとめた報告書での提言を受け、同年10月に日本化学工業会が創設したもので、日本の化学産業における国際競争力の強化と産業振興の基盤となる若手人材の育成を目的に、化学産業が大学に求める人材ニーズを発信し、これに応える大学専攻とその学生を産業界が支援するプログラムです。当社は本プログラムを通して、優れた取り組みを行っている専攻およびその学生に支援を行っています。

② 若手研究者を応援するミニ番組を提供

TBSテレビ/CBCテレビ/BS-TBS ミニ番組「未来の起源」提供を通じて、若手研究者を応援しています。

(4)教育・社会教育

JSRグループでは、国内外の拠点において生徒・学生への教育活動、インターンシップの受け入れ、教員の民間企業研修や職場体験の受け入れを継続して実施しており、次世代の育成や教育機会の創出に貢献しています。

① JMエナジー株式会社 地元小学生が工場を見学

2016年5月に北杜市立泉小学校より、全校活動「ふるさと大行進」の訪問先にJMエナジーが選ばれました。1〜6年生17班、約170名が工場見学を行いました。実際の現場見学に加え、自作VIDEOによる工程説明なども行い、製造現場を実感できたという感想を児童からいただきました。

② JSR 鹿島工場 地元中学生に出前授業を実施

2016年12月、神栖市立神栖第一中学校において、2年生 3クラス(97名)を対象に「出前授業」を行いました。授業内容は、「ゴムの合成」「弾むボールと弾まないボール」「割れないプラスチック」の3つの実験を行い、JSRのイメージキャラクターである分子くんを用いて、分子と素材の特性の関係をわかりやすく説明しました。

③ JSR 四日市工場 地域産業担い手の技能者育成事業への参画

近隣の工業高校を受け入れました。

④ JSR 千葉工場 日本大学で従業員が講師を務める

JSR 千葉工場 日本大学で従業員が講師を務める当社千葉工場の技術者が産学連携強化事業の一環として、日本大学生産工学部にて講義を毎年実施しています。2016年は10月27日、約100名の学生に「ゴムの性質と製造方法の概要、品質保証って何?」について講義しました。

※ 市原市が推進する「産業界と学校の連携強化事業」

⑤ JSR 本社ならびに千葉工場 教員の民間企業研修プログラム受け入れ

当社グループでは、2010年度より一般財団法人 経済広報センターによる教員の民間企業研修プログラムに協力しております。2016年度は8月23日〜24日の2日間、本社と千葉工場にて、6名の先生方を受け入れ、企業活動の考え方や環境問題への対応、人材育成などへの理解を深めていただく研修を実施しました。この企業研修での体験を、子どもたちへの教育や学校運営に活かしていただくことを目的としています。

⑥ JSR 本社 途上国における教育への教育資材提供

海外インターンシップの運営を主幹事業とする特定非営利活動法人アイセック・ジャパンによる東南アジアの初等教育の質を向上させる支援活動に当社製品の3Dプリンター資材を提供いたしました。
教育問題およびテクノロジーに興味がある日本の大学生が、3Dプリンターで教材を作成しました。インターンシップとしてベトナムとインドネシアを訪問し、作成した教材を使用して教育を実施しました。教材を使用した手や頭を使う教育によって、ベトナムとインドネシアの子どもたちの自由な発想や主体性、クリエイティビティーを伸ばすことで、将来につながる人材になることを目的としています。また、JSR社員が3Dプリンター技術を参加した大学生に教えることで、大学生が技術を習得することができました。

⑦ JSRグループ 四日市地区 想い出のランドセルギフト活動

JSRグループ 四日市地区 想い出のランドセルギフト活動JSRグループおよびJSR労働組合が協力し、2014年より国際協力NGOジョイセフの「想い出のランドセルギフト」活動に参加しています。使われなくなったランドセルを、アフガニスタンの教育の機会に恵まれない子どもたちに寄贈し、就学に役立てる活動です。子どもたちが学校で学び、読み書きができるようになることで、自分や家族の健康を守る知識や情報を身につけられるようになることを目指しています。2016年度は、当社の協力会社様のご協力もいただき、18個のランドセルと鉛筆やノートなどの文房具を寄贈しました。社員一人ひとりが取り組める社会貢献活動として今後も継続していきます。

(5)文化・芸術

① 千葉地区 いちはらアート × ミックス2017開催のPR協力

いちはらアート × ミックスは、2014年に市原市が主体となり千葉県および近隣市町村共同で実施し、今回で2回目となるイベントで、市原市南部地域の里山を舞台に、現代アートによって地域資源に光を当てた地域発の芸術祭として開催しております。JSRは本イベントPRに協力し、地域の芸術振興に貢献しています。

  • 1. 月出工舎(旧月出小学校)

    1. 月出工舎(旧月出小学校)
  • 2. 月崎駅/クオードの森

    2. 月崎駅/クオードの森
  • 3. 旧里見小学校

    3. 旧里見小学校

(6)環境

JSRグループでは国内/海外拠点ともに近隣道路や海岸、河川等の清掃活動を継続して実施しています。

① JSR BST Elastomer Co, Ltd.(タイ) 国際海外クリーンアップ活動に参加

「オーシャン・コンサーバンシー」というアメリカの非営利団体が主催する国際海岸クリーンアップ活動 ( International Coastal Cleanup: ICC) 」に昨年に引き続き参加しました。2016年は108名の従業員とその家族が参加し、同じ工業団地に拠点を置く他企業、地元企業、教育機関、コミュニティのボランティアと協力してメーラムプン・ビーチとナムリン・パユン・ビーチを清掃しました。
この活動は毎年9月の第3土曜日に世界中で開催され、各国のビーチ、湖、海、川の清掃を行うものです。世界91ヶ国で総勢約500,000名もの参加者が清掃活動を行う、世界で最も大きい海洋保護活動の一つとされています。

② 四日市工場 答志島の清掃活動

四日市工場 答志島の清掃活動当社は、三重県鳥羽市にある離島、答志島の海岸の清掃活動に参画しています。
本活動は2012年度より毎年継続して開催されています。
三重県産業廃棄物対策推進協議会に加盟している企業と行政が参加しています。JSR四日市工場は、本協議会で役員企業を務めています。

(7)地域社会の活動、史跡・伝統文化保全

① 四日市工場 三重リーディング産業展への出展

2016年11月、当社は三重県主催の「みえリーディング産業展2016」に出展いたしました。この産業展は今年で14回目となり、愛知、岐阜両県を含む188の企業や団体が参加。「ものづくり」「環境・エネルギー」「産学官連携」など10ゾーンに分かれて、自社の商品や技術力を紹介しました。当社のブースには、県庁、市役所関係者、企業(出展者含む)、学生、OB、一般の方など、約100名の方々が訪れました。

② JSR 四日市工場、鹿島工場 地域対話会への参加

一般社団法人日本化学工業会(以下、日化協)RC委員会は、RC活動の一環として、全国で地域対話会を開催し、近隣にお住まいの方々をはじめ、教育関係者、行政、各種団体の方々にご参加いただいています。参加企業の紹介や日頃の安全・環境に対する取り組みを地域の皆さまにわかりやすく説明し、理解と安心を深めていただく一方、地域の皆さまが抱いている不安や疑問点等にお答えする大きなイベントとなっています。
2016年度は四日市地区、鹿島地区で開催され、鹿島地区においては代表幹事会社として運営に貢献いたしました。本イベント開催によって地域社会との相互理解が一層深まりました。

レスポンシブル・ケア 四日市地区地域対話会 レスポンシブル・ケア 四日市地区地域対話会

レスポンシブル・ケア 四日市地区地域対話会

③ JSRグループ 四日市地区 JSRグループハーモニーフェスタの開催

近隣にお住いの方々とJSRグループ従業員やその家族との交流の場として「JSRグループハーモニーフェスタ」を毎年開催しています。地元の恒例行事となっており、2016年度は1,900名程にご参加いただきました。会場は多くのスポーツやゲーム、サッカー教室、工作コーナーなど様々な催し物で賑わいました。また、ステージでは三重県内の高校ジャグリング部によるパフォーマンスや、児童養護施設の生徒や四日市市内の中学校吹奏楽部による楽器演奏などを披露していただきました。

④ 株式会社エラストミックス 大塚戸芸能保存会への寄付

茨城県常総市にある大塚戸芸能保存会は、綱火(つなび)という江戸時代から伝承される民族芸能の伝承に努めています。綱火とは、あやつり人形と仕掛花火とを結合させた民俗芸能であり、空中に張りめぐらせた綱により花火のついた人形(で木く偶)を操作し、芝居を演じるもので、大塚戸町では、町内の一言主(ひとことぬし)神社の例大祭当日に毎年奉納され、公開されています。エラストミックスはこの保存会へ寄付をし、民俗芸能の伝承に貢献しています。

(8)災害被災地支援

① 平成28年熊本地震ならびにイタリア中部地震への義援金拠出

当社は、平成28年熊本地震ならびにイタリア中部地震で被災された方々の救援や被災地の復興にお役立ていただくために、義援金を拠出いたしました。被災された皆様の生活が一日も早く平穏に復しますよう、心よりお祈り申し上げます。

② JSRグループ 本社地区「東北復興応援マルシェとJSRトレーディング ワイン即売会」を開催

JSRグループ 本社地区「東北復興応援マルシェとJSRトレーディング ワイン即売会」を開催2017年2月23日、JSR株式会社の本社にて「東北復興応援マルシェとJSRトレーディング ワイン即売会」を開催しました。
この催しは、東日本大震災で被災した東北3県(岩手、宮城、福島) の物産販売とJSRトレーディング株式会社の直輸入ワイン試飲即売会とがコラボレートしたJSRおよびそのグループ企業であるJSRトレーディングの共同CSR企画です。東北3県から10の事業者が出店くださいました。
社内外から数百名が来場し、出店者とコミュニケーションをとりながら買い物を楽しんでいただきました。開始早々に売り切れ商品が出るなど大盛況となりました。
東日本大震災から約6年経過し、被災地は事業推進フェーズに移行しつつあります。その一方で未だ12万人以上の方が避難しており、復興への道のりは緒に就いたばかりです。JSRグループは事業活動を通じた社会貢献に加えて、社会の責任ある一員として今後も社会的要請・社会的課題の解決に積極的に取り組みます。

※ 避難者数は2017年1月16日現在(復興庁2017年1月31日発表)
協力:平成28年度 復興庁被災者支援コーディネート事業事務局 (株)三菱総合研究所