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SRI指標と銘柄への組み入れ

社外からの評価/第三者意見/第三者検証

1.SRI指標および銘柄への組み入れ(2016年6月30日現在)

JSRグループのCSR活動は、外部評価機関より評価を受けています。活動を評価した以下のSRI(社会的責任投資)指標や銘柄に組み入れられています。

FTSE4Good
当社は「FTSE4Good Index Series」が設立された2004年より継続して組み入れ銘柄として選定されています。
MS-SRI
2016年1月4日

2009年より、日本国内の代表的なSRI指標である「モーニングスター社会的責任投資株価指数」に選定されています。

※「モーニングスター社会的責任投資株価指数」は、国内上場企業の中から社会性に優れた企業と評価する150社を選定した社会的責任投資株価指数です。本株価指数は、将来のパフォーマンスを保証するものではなく、いかなる責任も負いません。著作権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar,Inc.に帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

Euronext Vigeo World120 index
「EURONEXT VigeoEiris World 120 Index」に世界120社の1社として選定されています。
Ethibel Pioneer & Excellence Investment Registers
2015年6月11日、国際的なSRI銘柄である「Ethibel Pioneer & Excellence Investment Registers」に再選定されています。
NADESHIKO BRAND 2016
2016年3月、女性活躍に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所により、2015年度「なでしこ銘柄」に選定されました。

なお、その他JSRグループは2013年度より継続してGlobal Compact 100に選定されています。

2.第三者意見

後藤 敏彦 NPO法人サステナビリティ日本フォーラム代表理事

特定非営利活動法人 サステナビリティ日本フォーラム代表理事

後藤敏彦

2015年は文明の方向性が変わった年でした。9月の「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」と12月の気候変動枠組み条約締約国会議COP21での「パリ協定」の採択です。いずれも国連の取組で、特にパリ協定では温度上昇を産業革命以前に比べ2℃以下1.5℃を目指すことや、21世紀後半には人為起源のGHG(温室効果ガス)の排出と吸収を均衡させる、つまり実質的排出ゼロを目指すことなどが決められました。

近現代を通じた「無限の進歩・成長」から、GHG排出ゼロや鉱物資源枯渇という環境制約の下での「有限の地球での持続可能(サステナビリティ)な発展」というパラダイムに軸が変わったのです。

2015年に実施されたステークホルダーとの対話や重要課題の特定プロセスなどの各種取組、E2イニシアティブ等は、この方向性を先取りするもので高く評価します。課題「経営と一体となったCSRの各部門への浸透」の着実な実行に期待するところ大です。ISO14001の2015年版はCSRとの親和性も高くサプライ・チェーン・マネジメントにも使える優れたツールと理解しています。各部門への浸透という企業体質強化に活用されるべきです。

2016年以降の目標として「パリ協定を踏まえたCO2削減目標の検討」を掲げられています。日本企業は積上げ方式で目標を策定する傾向がありますが、それだと長期・超長期目標が作れませんし、パラダイム・チェンジへの対応は困難と考えます。欧米でGoalsという場合、その意味はPriorities(優先課題)でありAspirations(ありたい姿)です。

60周年を機に次の60年のチャレンジ目標として例えばCO2ゼロを掲げ、そこからバック・キャスティングで2030年のありたい姿をもう少し具体的に描くことと、それに向けてのフォア・キャスティングによるロードマップの策定などを期待したい。最初の3~5年は積上げ方式で考えるとして、どこかでイノベーションを入れていくことが必要だし、中長期経営計画のカナメと考えます。それが残された課題の一つ「経営と一体となったCSRの経営計画への盛り込み」になると思います。SDGsも2030年までの方向性ですので、上記の中長期計画の中でリスク対応とビジネス機会の実現と関連づけてもらいたいと期待します。

ここ数年、「安全」に集中的に取り組まれ、昨年はリスクの見直しをされました。リスク・マネジメントのカギは「リスクの発見」であり、パリ協定に基づく5年ごとの見直しの都度リスク並びに重要課題には変更があり得ますので、定期的に見直されることが重要と考えます。

企業理念「Materials Innovation―マテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献します。」とあります。2030年頃から厳しくなる鉱物資源の枯渇に対して代替材料を作ることができるのは化学であり、理念を生かしての発展を期待します。

報告書はWeb版と冊子版で構成されていますが、他と違うユニークな点はWeb版がPDFでないことです。しっかり編集もされておりますので方向性としては問題ないと考えます。ただ、課題としては知りたい情報を探すのに少し時間がかかることです。ESG投資が日本でも始まりだし、環境省や東京証券取引所等でのESG情報のプラットホーム整備も開始されています。環境省の昨年の実験では、事業者側の十分情報開示しているという認識割合と機関投資家側でのほしい情報が開示されていない(見つからない)という認識にはギャップがあることが分かりました。情報検索に少し工夫を凝らされる必要を感じます。

略歴

特定非営利活動法人 サステナビリティ日本フォーラム代表理事
認定特定非営利活動法人 環境経営学会会長、特定非営利活動法人 社会的責任投資フォーラム理事・最高顧問、一般社団法人 グリーンファイナンス推進機構理事、一般社団法人 グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン理事、など。
環境省事業//EA21改訂検討作業部委員会委員/環境情報開示基盤整備事業WG座長/環境コミュニケーション大賞審査委員/ Eco-CRIP事業検討会座長/日中韓環境大臣会議会議(TEMM)付設環境産業会議(TREB)団長など複数委員会の座長・委員を務める。ISO/TC207エキスパート。元GRIボードメンバー。東京大学法学部卒。

第三者意見を受けて

当社グループのCSRレポートへのご意見を賜り、ありがとうございました。

企業理念「Materials Innovation―マテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献します。」の実践には、経営とCSRが一体となって進めることが必要と考え、この2年間で重要課題の絞り込みを行い、取り組みの方向性を定めました。それに合わせて、報告についても重要課題への取り組みを中心としたWEBを重視した報告に変更しています。皆様にわかりやすくご覧いただけるようにと工夫を行ってきましたが、まだ改善の必要があるとのご意見をいただきました。よりわかりやすく、情報にアクセスしやすいレポートを目指し、検討を進めてまいります。

また、ご提案をいただきました「ISO14001の活用」、「温室効果ガス削減に向けての方針の明確化」、「SDGsと、長期計画でのリスクおよび機会との関連付け」、「リスクと重要課題の定期的な見直し」についても真摯に検討し、より多くの皆様にご理解いただける取り組みへと進化させ、わかりやすいレポートを作ってまいります。

JSR株式会社 CSR部

3.第三者検証

JSRグループは「JSRグループ CSRレポート 2016の冊子版及びWeb版」に記載されている事項に関して、一般社団法人 日本化学工業協会レスポンシブル・ケア検証センターの第三者検証を受審しています。