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CSRレポート2014

生物多様性保全

JSRグループの生物多様性保全に関する方針

JSRグループでは、これまでの生物多様性保全に関する取り組みから見えてきた課題を整理し、2012年度に生物多様性保全に関する方針を策定しました。この方針に基づいて、具体的な活動を推進しています。

JSRグループの生物多様性保全方針

JSRグループは、持続可能な社会の構築に貢献するために、事業活動がどのように生物多様性に依存し、影響を与えているかの把握に努め、生物多様性保全への配慮を推進していきます。

1. 天然由来の原料資材等の調達において、生物多様性保全への配慮に努めます
2. 事業所の緑地を生物多様性に配慮したものにするための取り組みを推進します
3. 生物多様性に配慮した製品開発を推進します
4. 社員の参画や地域社会との連携を重視した取り組みを推進します

方針1. 天然由来の原料資材等の調達において、生物多様性保全への配慮に努めます。

(1) JSRグループで購入している原料の中で、天然由来の原料の有無を調査し、主原料には該当するものはないものの、副原料として一部該当するものがあることがわかりました。現状では大きな問題となるものはないことが確認されましたが、今後も引き続きウォッチしていきます。(2011年度~)

(2) 取引先様へのアンケート実施
CSR調達の一環として、天然由来の原料を使用している取引先様へ生物多様性保全の状況についてアンケート調査を実施しました。その結果、8割以上の調達先で、会社として生物多様性の保全を認識しており、50%以上の調達先で何らかの活動を実施していることがわかりました。また、主要な調達先へは調達担当者が直接訪問して意見交換を行いました。(2012年度~)

CSPUロゴ

(3)「JSRグループ 紙調達に関するガイドライン」策定、および「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム」に参画
製品の原材料とは別に、日常的に使用する紙類の調達に関し、森林の持続可能性の観点から、JSRグループが事業活動で使用する紙類の調達ガイドライン「JSRグループ 紙調達に関するガイドライン」を策定しました。また、「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム」の結成に参画し、社会全体への持続可能な紙の利用の拡大・浸透を図っていきます。(2013年度~)。従来も環境に配慮した紙の調達を行っていましたが、今回のガイドライン策定によって、改めて全社の紙類の利用状況(種類、使用量)を調査し、今後は「古紙を主原料とする用紙、又はFSC等の森林認証紙」を優先的に調達する活動をグループ内で一貫性を持って推進していきます。

※持続可能な紙利用のためのコンソーシアム WWFホームページの紹介記事をご参照ください。

方針2. 事業所の緑地を生物多様性に配慮したものにするための取り組みを推進します。

推進ガイドラインJBIB「いきもの共生事業所®
推進ガイドライン」
(第3版 2013年発行)

(1) JBIB「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」をベースにした事業所緑地の評価と改善活動
2012年度~2013年度にかけて、JBIB「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」の「土地利用通信簿®」に基づき、当社の国内3工場および筑波研究所の緑地調査を実施しました。この調査結果及び専門家の協力を基に緑地改善計画を策定、2013年度から改善に着手しています。2016年度には、国内4事業所で生物多様性に配慮した緑地が完成する予定です。


JSR3工場および筑波研究所
四日市工場
  • 四日市工場は鈴鹿川、天白川による扇状地で三方を丘陵地に囲まれて立地している。
  • 近隣に位置する市の自然公園や近隣他社の緑地・水辺等、工場周辺の自然との生態系的なつながりを重視し、社宅地区も含め、地域本来の動植物の姿となることを目指した緑地づくりを推進。
  • 四日市工場緩衝緑地四日市工場緩衝緑地
    千葉工場
  • 埋立地に立地している。
  • 工場エントランス近くの緑地「いこいの広場」を、外来種を除伐して自然な植生へ改善。伐採した木々をウッドチップとして舗装するなど、環境コミュニケーションの場としても活用できる緑地とする。
  • 四日市工場緩衝緑地千葉工場緑地
    鹿島工場
  • 利根川、鹿島灘間の元砂丘に立地している。
  • 希少な遺存種をテーマに砂丘〜後背湿地特有の自然を活かした緑地整備。
  • 四日市工場緩衝緑地鹿島工場緑地
    筑波研究所
  • 筑波山麓で自然豊かな里地里山地域に立地している。
  • 造園的な景観管理と生物多様性に配慮した管理とを調和させた緑地管理を推進。
  • 所員を中心としたモニタリング活動や環境学習の推進。
  • 筑波研究所の性粒多様性推進エリア筑波研究所の「生物多様性推進エリア」

    (2) 新規事業所建設時の配慮
    新規事業所・建屋等建設時の生物多様性への配慮として、3つのグループ企業で調査等を実施しました。
    ① JSR BST Elastomer Co., Ltd.(タイ):新工場建設
    事業所緑地の面積が小さいことも考慮し、対応方針を検討中です。
    ② PT. Elastomix Indonesia(インドネシア):新工場立地の環境リスク調査
    周辺環境、保全地域、希少種の有無と影響、水リスク、先住民への影響等の調査を実施し、特に問題がないことを確認しました。
    ③ JMエナジー株式会社(山梨県北杜市):事業所敷地内での工場増設
    事業所内緑地と周辺環境を調査し、新たに生物多様性に配慮した事業所緑地の具体的な改善計画を策定中です。

    方針3. 生物多様性に配慮した製品開発を推進します。

    これまで当社グループでは、環境配慮型製品の基準を設けて推進してきました。2014年度より、新たに専門家の協力を得て、環境配慮型製品の基準を補う目的で、生物多様性にも配慮した製品の基準づくりにも着手しています。

    方針4. 社員の参画や地域社会との連携を重視した取り組みを推進します。

    2014年度より当社4事業所において、順次近隣企業や自治体等の研究機関とも連携を進めて行きます。現在、当社四日市工場のある四日市コンビナート地区では、近隣企業と連携して、生物多様性に配慮した事業所緑地をつなげた生態系ネットワークづくりにも取り組み始めました。

    JSR Micro Taiwan Co., Ltd.(台湾)工場の緑化活動推進中

    JSR Micro Taiwan

    JSR Micro Taiwanの位置する地域は自然に恵まれており、会社設立以来、地球環境との持続的な共生を目指し、環境負荷の低い製品の製造・開発はもとより、事業所の緑化活動にも取り組んでいます。亜熱帯特有の草花が季節ごとに彩る敷地は、監督官庁主催のコンテストにて3年連続で佳作を受賞しています。


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