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CSRレポート2013

リスク管理

基本的な考え方

JSRグループは重大な危機の発生を未然に防ぐこと、および万一重大な危機が発生した場合に事業活動への影響を最小限にとどめることを経営の重要課題と位置づけ、「リスク管理規程」を定め、「リスク管理委員会」を中心にリスク管理活動を推進しています。
リスク管理委員会は、会社の顕在化した、または潜在的なリスクのうち、取締役会などの重要な会議において審議する、事業の推進に伴うもの以外のリスクについて、対応方針を策定し、全社的リスク管理を推進することを目的としています。
※取締役会などの重要な会議において審議される、事業の推進に伴うリスクとは、設備投資やM&Aといった戦略的なリスクを言います。

リスク管理への取り組み

RM研修本社地区でのRM研修の様子 RM研修四日市地区でのRM研修の様子

JSRグループでは、独自に構築したシステムにより、2009年度より毎年定期的に、全部門・グループ企業において、爆発・火災、大規模地震、パンデミック発生をはじめ、多岐にわたるリスクの洗い出し・評価・対応策の策定を行い、特に重要なものについては「全社重要リスク」と位置づけ、リスク管理委員会およびCSR会議にて改善状況を管理しています。
2012年度は、JSRグループのすべての部門でリスクの洗い出しを行い、14項目の「全社重要リスク」を抽出、それぞれのリスクについての対応方針を策定し、マネジメントとしてリスク・コントロールを図っています。また、2012年度、外部専門家を活用して現行システムの本格的なレビューを実施しました。社内主要部門(24部門)へのインタビュー調査を実施する等により、妥当な仕組みがおおむね適切に運用されているものの、一部改善すべき点があることもわかり、改善を進めています。その一環として、2012年11月に、グループ企業を含む全社のリーダークラスを対象にリスクマネジメント(RM)研修を実施しました。

谷敍孝

株式会社インターリスク総研コンサルティング第一部
長井健人氏

貴社では、独自にリスク管理の仕組みを構築し、取り組んできました。そして構築後数年が経過したことから、その仕組みや活動を点検・評価することとなり、私どもインターリスク総研がお手伝いさせていただきました。
点検・評価は、リスク管理体制やルール等の整備状況、部門での活動状況等を文書調査や20部門以上へのインタビュー等を通じて行いました。結果は、基本に則りしっかりした体制や仕組みを構築し、堅実に活動を推進されていると評価させていただきました。特に、全社に展開し取り組んでいること、そして、毎年、前年度を振り返り反省や改善を加えて取組んでいることは高く評価できます。
しかし、注意すべき点も見受けられました。例えば、役割分担についてです。組織改編や活動のマンネリ化等からリスク管理に隙間や手薄な個所が生じては、リスクを見逃しかねません。リスク管理における役割分担を再確認し、確実かつ効率的な体制を維持していくことが大切です。

BCM体制の強化

2011年に発生した東日本大震災での経験を踏まえ、BCM(事業継続マネジメント)というコンセプトを前面に打ち出した体制の構築に取り組んでいます。2012年度には四日市工場の生産が一定期間停止する場合を想定したBCM体制を構築するとともに、大規模災害発生の際の初動からBCM発動までの流れを疑似体験し、的確な対応をするための「事業継続初動訓練」も行いました。
今後は、順次、他の事業所、グループ企業への水平展開を進め、グループ全体でBCMの強化を図っていきます。

危機管理訓練

危機管理訓練危機管理訓練の様子(本社)

従来より大規模災害などへの対応として、初動対応を中心とする危機管理の仕組みを整備し、毎年各事業所と本社災害対策本部の連携で訓練を重ねてきましたが、2012年度は、BCMという観点から、大規模災害発生時の初動からBCM発動までの間を疑似体験する「事業継続初動訓練」を外部専門家の監修のもとに実施しました。

大規模地震対策

当社では、1995年度から大規模地震対策に関する中期計画を策定し、対策強化に計画的に取り組んできました。2006年度に中期計画の見直しを行い、耐震性能診断結果をもとに、工場内の高圧ガス設備を重点対象とした耐震工事を進めているほか、人命第一の考え方のもと、JSRのすべての事業所に緊急地震速報を設置しています。
東日本大震災を受けて、更なる耐震強度の強化、また、津波対策も視野に入れた安全対策を進めています。

安否確認システム

2009年度より安否確認システムを導入し、大地震等の災害発生時に社員の安否を迅速に把握できるようにしています。また、2011年度より、グループ企業および家族へも範囲を拡大しています。

新型インフルエンザ対策

2008年度に策定した「新型インフルエンザ対策」について、あらゆる毒性のインフルエンザにも柔軟に対応できるように対応策をより実践的なものに改善しています。また、国内外の社員向けに薬の備蓄拠点を設け、備蓄を行っています。

情報セキュリティ

JSRグループは「情報セキュリティ方針」を定め、社員への周知を徹底することで情報の適正管理に努めています。

情報セキュリティ方針

  • JSRグループは、当社および顧客・取引先などの第三者の情報資産の取り扱いについては、法令その他の社会的規範を遵守すると共に、これを適切に保護していきます。
  • JSRグループは、業務を効率的に遂行するため、当社の情報資産の整備につとめ、これを積極的に活用していきます。当社役員および従業員は、当社の情報資産を、与えられた権限の範囲内で業務の目的のためにのみ利用します。
  • JSRグループは、組織・体制を整備し、情報セキュリティに関する教育を行い、本方針及び関連諸規程の周知徹底をはかり、情報セキュリティ確保に向けた対策を推進します。
  • JSRグループは、適切な人的・組織的・技術的施策を講じ、情報資産に対する外部からの不正侵入、漏洩、改ざん、紛失・盗難、破壊などが発生しないよう努めます。
  • JSRグループは、万一情報資産にセキュリティ上の問題が発生した場合、その原因を迅速に究明し、その被害を最小限にとどめ、再発防止に努めます。
  • JSRグループは、外部環境の変化などに適切に対応するため、情報セキュリティ対策の評価・見直しを定期的に実施します。

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