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CSRレポート2012

環境負荷低減への取り組み

大気環境保全

ボイラー排気対策

硫黄酸化物(SOx)の排出については、自家発電を実施している四日市工場に排煙脱硫装置を設置し削減を図っています。また、窒素酸化物(NOx)の排出削減についても、低NOxバーナーや脱硝装置の導入によって大幅な削減を実施してきました。鹿島工場にエネルギーを提供している南共同発電所におけるボイラー稼動状況の変動により、2011年度のSOx排出量は減少となりました。引き続き最良の削減技術を採用し、継続的な改善を図っていきます。

2011年度環境汚染物質排出移動量実績

PRTR関連

PRTR※1活動の取り組み

PRTR法※2は1999年7月に成立し、2000年3月に施行されたことにより、2001年度分のPRTR実績から報告することが義務づけられました。日本化学工業協会ではPRTRを重要な活動と位置づけ、1995年度から他の産業界に先駆けて取り組みを開始し、年々、調査対象物質を増やしてきました。JSRもその一員として継続的な調査を行っています。 PRTR法に基づいた2011年度の実績は以下の通りです。なお、PRTR法改正に伴い、2010年度実績より対象となる第一種指定化学物質は354→462物質に見直しています。
※1 PRTR:環境汚染物質排出・移動登録
※2 PRTR法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律

S0x排出量とNOx排出量 化学物質排出量※3(PRTR法)
政令
指定番号
物質名称 取扱量※4
(t)
大気
排出量
(t)
水域
排出量
(t)
移動量※5
(t)
1 亜鉛の水溶性化合物 2.5 0.4 2.0 0.0
2 アクリルアミド 88.2 0.0 0.0 0.0
4 アクリル酸及びその水溶性塩 1,265.4 0.0 0.0 0.0
7 アクリル酸ノルマル-ブチル 1,653.2 0.0 0.0 0.0
9 アクリロニトリル 44,744.6 5.5 0.0 0.0
13 アセトニトリル 98.6 0.1 0.5 3.4
20 2-アミノエタノール 1.3 0.0 0.0 0.0
30 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び
その塩
(アルキル基の炭素数が10から14までのもの及びその混合物に限る)
724.3 0.0 0.0 0.0
36 イソプレン 77,279.1 2.2 0.0 0.3
71 塩化第二鉄 7.4 0.0 0.0 0.0
80 キシレン 4.2 0.0 0.0 0.0
83 クメン 22.4 0.4 0.0 0.0
150 1,4-ジオキサン 3.2 0.0 0.0 1.2
186 ジクロロメタン(別名塩化メチレン) 68.6 4.5 0.0 11.5
190 ジシクロペンタジエン 14,382.0 0.1 0.0 56.8
202 ジビニルベンゼン 32.1 0.0 0.0 0.0
203 ジフェニルアミン 2.6 0.0 0.0 0.0
207 2,6-ジ-ターシャリ-ブチル-4
-クレゾール(別名BHT)
636.9 6.6 0.0 16.8
213 N, N-ジメチルアセトアミド 9.3 0.0 0.0 0.0
220 ジメチルジチオカルバミン酸の水溶性塩 42.8 0.0 0.0 0.0
234 臭素 1,948.4 0.0 0.0 0.0
239 有機スズ化合物 1.0 0.0 0.0 0.0
240 スチレン 129,782.2 19.9 0.0 1.1
274 ターシャリ-ドデカンチオール 1,019.8 0.1 0.0 0.0
276 3,6,9-トリアザウンデカン-1,
11-ジアミン
(別名テトラエチレンペンタミン)
11.4 0.0 0.0 0.7
300 トルエン 2,959.3 44.4 0.2 1,591.1
309 ニッケル化合物 0.6 0.0 0.0 0.1
321 バナジウム化合物 45.2 0.0 2.0 42.3
330 ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)
=ペルオキシド
15.6 0.0 0.0 0.0
337 4-ビニル-1-シクロヘキセン 111.2 0.0 0.0 0.0
351 1,3-ブタジエン 564,395.2 12.5 0.0 0.1
355 フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) 18.0 0.0 0.0 0.0
366 ターシャリ-ブチル=ヒドロペルオキシド 6.1 0.0 0.0 0.0
392 ノルマル-ヘキサン 1,191.3 301.3 0.0 121.6
401 1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,
2-無水物
3.8 0.0 0.0 0.0
405 ほう素化合物 1.2 0.0 0.5 0.0
415 メタクリル酸 79.7 0.0 0.0 0.0
417 メタクリル酸2,3-エポキシプロピル 7.4 0.0 0.0 0.0
420 メタクリル酸メチル 4,921.1 1.1 0.0 0.0
436 アルファ-メチルスチレン 10,908.0 0.5 0.0 0.0
440 1-メチル-1-フェニルエチル
=ヒドロペルオキシド
123.4 0.0 0.0 0.0
448 メチレンビス(4,1-フェニレン)
=ジイソシアネート(別名MDI)
1.3 0.0 0.0 0.0
総計 858,620.0 399.7 5.3 1,847.1
原単位 (t/t) 1.0 0.0
243 ダイオキシン類※6 0.3 0.0 0.0
※3 PRTR法ではkg単位・有効数字2桁ですが、本レポートではt単位(小数・1桁)で表示しています。また、土壌排出量および内部埋立量は「0」のため、表から省略しています。
※4 取扱量は裾切り後(1t/y・事業所)の値
※5 移動量は、廃棄物中間処理業者への委託量(1,842.2t)および公共下水(4.9t)への排出量
※6 ダイオキシン類 単位:mg-TEQ

VOC※7大気排出量削減への取り組み

JSRでは従来より化学物質の大気排出量削減に取り組んできましたが、2004年度に大気汚染防止法が改正されたことに伴い、対象物質をVOC全体に拡大しました。VOCとは、揮発性を有し、大気中で気体状になる有機化合物の総称で、健康への影響が懸念される浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因の一つと考えられています。
VOC排出量削減対策として2006年度から2009年度にかけて合成ゴム乾燥排気の燃焼処理設備を3工場で5基設置しました。2011年度は2000年度対比約75%削減し、目標を達成しています。今後も、継続して排出量削減に努めていきます。
※7 VOC:Volatile Organic Compound(揮発性有機化合物質)


アクリロニトリルと1,3-ブタジエン ジクロロメタンとスチレン トルエンとVOC発生量

水質保全

JSRでは、各工場における排水管理を確実に行い水質の維持向上に努め、2009年4月に施行された第6次総量規制の基準を満たしています。今後も水質の確実な監視を継続するとともに、第7次総量規制の動向にも留意して更なる負荷低減を目指していきます。

総排水量とCOD排出量 全窒素排出量と全リン排出量

土壌・地下水汚染評価

3工場について深井戸(地下水環境基準)および土壌(環境基準主要項目)の定期検査を実施しています。2011年度も継続して土壌、地下水ともに汚染がないことを確認しました。

石綿対策

JSRは、石綿障害予防規則(石綿則)に従い、グループ企業を含めた全施設(社屋・製造・研究開発・福利厚生)に対して石綿を含有した材料が吹きつけられた個所の調査を行いました。その結果判明した工場内の該当個所については、2006年度に撤去工事、囲い込み工事を完了しました。また石綿を含有したガスケット類についても非石綿品への代替検討を進め、安全性が確認されたものから順次代替を実施しています。
なお、厚生労働省労働基準局による石綿健康管理手帳、および労災補償特別遺族給付金等の制度周知の要請に対応し、当社のホームページを利用して社員に厚生労働省のリーフレットの紹介をしました。

石綿健康管理手帳・労災補償制度等のご案内

PCB管理

分解しにくく、毒性の強い有機化学物質であるPCB(ポリ塩化ビフェニール)は、変圧器やコンデンサーなどに使われています。JSRにおいてPCBを使用している電力機器はすでに92%が使用停止され、法に従い厳重に保管・管理されています。また現在使用中の機器については、更新計画に沿って順次代替品に切り替えていく予定です。「PCB廃棄物の適正処理の推進に関する特別措置法」により、2016年までにPCB処理を完了することが義務づけられていますが、当社およびグループ企業のPCB(電力機器)については、すでにPCB廃棄物処理施設に登録を済ませています。2011年度は19台の機器を処理施設に移送しました。

2011年度 台数 PCB含有油量(ℓ)
電力機器 保管機器 171 146,510
使用中機器 7 6,660
178 153,170

オゾン層破壊物質対策

JSRでは、1994年に四塩化炭素の使用を全廃し、製造設備における大型の特定フロン使用機器については2010年度までにすべて代替フロンに切り替えました。

本社ビルの消費電力削減のための夏期節電対策

電力削減目標と使用実績

2011年夏の東京電力の電力供給不足に対し、JSR本社ビルにおいて、2010年度の最大電力実績値に対して、マイナス15%の削減目標を掲げ、以下の取り組みを実施した結果、夏期(6月〜8月)の電力使用状況は目標を上回り、2010年対比で27%の削減を達成しました。

主な取り組み
  • 室温28℃での空調管理
  • 照明やプリンターなどのOA機器類の間引き
  • 節電状況の見える化により使っていない場所での機器類の電源オフの周知徹底
  • スーパークールビズの実施
  • 7〜8月の週2日早出早帰り など

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