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CSRレポート2012

第三者意見/第三者検証

第三者意見

東京大学名誉教授安井氏




東京大学名誉教授
安井至氏


社会的責任の規格ISO26000 を見ると、企業に限らず個人としても、これを強く意識すべきだと思う。その理由は、人間活動がグローバルに拡大したためである。たとえ個人の消費一つをとっても、その影響の行き先が地球全体に広がったからだと言える。
ところが、一個人では、その影響の行き先すべてを予測することは不可能であり、必ず見落としがある。これを前提としたとき、何をやるべきなのか。答えは、個々の行動の正しさを主張するのではなく、自らの姿勢と意図を示すことなのではないだろうか。組織としての対応も、これと変わらない。組織の姿勢と意図が上手く伝達できれば、人々からの信頼感を得ることができるだろう。
本年版のCSR レポートを初めて読んだとき、細かく見れば若干の改良点がまだ散在しているようには思えたが、全体的な印象としては、何か一貫した姿勢と意図を感じることができた。
なぜなのだろうか。かなり考えてみた末に、「信頼感が重視されている。加えて、言い訳がましいことが書かれていない」からではないかという結論になった。
もう一度、最初から読んでみると、まず、小柴社長の言葉に出会う。「E2イニシアティブ®」の大方針は変わっていないが、JSR が提供している材料によって得られる顧客からの信頼感に、新たな自信と確信を獲得されたように読めた。低燃費タイヤ用の合成ゴムについての記述で、価値を生み出すことの重要性を説かれているが、そこに姿勢と意図の重要性の認識が読み取れたからである。
このところRio+20 の開催などもあり、グリーン経済は重要なキーワードになっている。「E2イニシアティブ®」の一つ、Eco-innovation は極めて重要である。ややもすると持続可能性と相反した概念だと思われがちなイノベーションだが、これなしには真の持続可能性は実現できない、という個人的直感を持っている。ひょっとすると、小柴社長は、以前からそれを目指して来た方なのかもしれない。こんな思いが脳裏をよぎった。
もう一つの地球的課題である生物多様性だが、重要性が増加しつつある保護対象である。すでに、JSR社有地の生物多様性を保護する活動が幅広く行われており、今後は、特に途上国を中心とした地球レベルでの対応へと発展することを期待したい。


第三者検証

  • 第三者検証意見書 (PDF 406kb)
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