コーポレート・ガバナンス

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針

1. 当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本方針

  1. (1)当社グループは、企業理念「Materials Innovation-マテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献します。」を着実に実現しうる企業として、経営の効率化と透明性・健全性の維持により継続的に企業価値を創造し、全てのステークホルダーから信頼され満足される魅力ある企業の実現を目指しております。
  2. (2)このため、コーポレート・ガバナンスの拡充・強化を経営上の重要な課題として取り組んでおります。

2. コーポレート・ガバナンスの体制

  1. (1)当社は、監査役会設置会社として、取締役会と監査役による業務執行の監視、監督を行う制度を基礎としております。
  2. (2)執行役員制度、独立性と豊富な事業経験や高度な専門性を有する社外取締役および社外監査役の選任により、経営監督機能を強化するとともに、意思決定や業務執行の迅速化・効率化を図り、経営の透明性・健全性の維持に継続的に努めております。
  3. (3)取締役会は、経営理念を確立し、経営戦略の方向付けをはじめとして、重要な意思決定を行っております。
  4. (4)取締役会は、役員報酬制度を通じて、経営陣による適切なリスクテイク、企業家精神発揮の環境を整えております。
  5. (5)取締役会は、業績評価・役員人事等を通じて取締役・経営陣の監督を行っております。
  6. (6)現在の取締役会は、取締役9名のうち、4名が独立性ならびに豊富な企業経営および事業運営の経験を有する独立社外取締役で構成されております。今後についても独立性ならびに豊富な企業経営および事業運営の経験を有する独立社外取締役を 1/3以上選任し、企業価値向上を図るとともに、経営の監督を実施いたします。なお取締役会議長は取締役常務執行役員の髙橋成治が務めております。
  7. (7)現在の監査役会は、監査役3名のうち、2名が会社から独立した立場の豊富な経験を有する弁護士および公認会計士で構成されております。今後についても、独立性ならびに法律や会計等に関する幅広い経験・知見を有する独立社外監査役を2名選任し、取締役および経営陣の業務執行につき、実効性の高い監査を実施いたします。
  8. (8)役員報酬制度の客観性・透明性を確保するため、メンバーの過半数を独立社外取締役で構成し、独立社外取締役の関忠行が委員長を務める報酬諮問委員会を設置しております。 報酬諮問委員会では、報酬方針の策定、報酬制度の設計、業績目標の設定、インセンティブ報酬の合理性、報酬水準・ミックスの妥当性、報酬制度に基づく各役位の報酬額の決定等につき審議し、取締役会に答申しております。
  9. (9)役員報酬は、中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として、多様で優秀な人材を引き付け、短期・中長期の業績に連動して経営者と株主が利益を共有するものであり、また、透明性を保ちつつ、経営戦略および事業戦略の確実な実行を目指すものであることを基本方針としております。現在の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬、単年度の全社業績達成度等に連動する年次賞与、2024年度を最終年度とした中期経営計画および事業構造改革の着実な遂行を目的とした事後交付による業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)、および持続的な企業価値の向上と株主の皆様との価値共有を促進することを目的とした譲渡制限付株式(非金銭報酬)から構成されております。なお、社外取締役および監査役の報酬は、役割に鑑み基本報酬のみとしております。
  10. (10)役員選任の方針と手続きの透明性を確保するため、メンバーの過半数を独立社外取締役で構成し、独立社外取締役の関忠行が委員長を務める指名諮問委員会を設置しております。指名諮問委員会では、取締役会に必要な知識・経験・能力、ジェンダーや国際性、職歴、年齢等の多様性と規模(人数)の基準および役員選任の基準と手続き、ならびにCEO兼社長の後継者・取締役・役付執行役員(上席執行役員を含む)および監査役候補者について審議し、取締役会に答申しております。また、CEO兼社長の選解任について審議する際には社外取締役のみで議論をする機会を設けるなど、審議の透明性を確保しています。CEO兼社長の後継者については、複数の後継者候補に対して必要な教育・トレーニングを行い、指名諮問委員会が後継者候補者選定に携わるなど、客観性・透明性のある手続きにより、計画的に育成・選定しております。

3. ステークホルダーとの関係

  1. (1)当社は、経営方針の重要な柱のひとつとして、「ステークホルダーへの責任」(顧客・取引先に対する責任、従業員に対する責任、社会に対する責任、株主に対する責任)を定めております。
  2. (2)当社は、社会・環境問題をはじめとする持続可能性をめぐる課題につき適切な対応を行うとともに、社内の女性の活用を含む多様性の確保を推進しております。
    (参照:当社サステナビリティレポートweb版
  3. (3)当社グループは、「ステークホルダーへの責任」を果たすため、「JSRグループ企業倫理要綱」として当社グループの役員、従業員の行動規範を定め、その周知徹底と遵守に努めております。
    (参照:JSRグループ企業倫理要綱

4. 株主の権利・平等性の確保

  1. (1)

    当社は、従来から実施している株主総会において株主が適切に議決権行使を行える環境の整備を継続しております。

    従来から実施している、株主総会の早期(6月中旬)開催、招集通知の送付前の早期のWEB開示(電子提供措置の開始)、インターネット等による議決権行使の採用、機関投資家向け議決権行使プラットフォームへの参加、招集通知記載内容の充実、招集通知の英訳等を継続いたします。

  2. (2)当社は、資本政策の基本方針を株主に説明し、買収防衛策の導入、MBOや増資等、既存の株主の利益を害する可能性のある政策については、その必要性・合理性を充分に検討し、適切な手続きを行い、株主に説明いたします。
  3. (3)政策保有株式については、事業経営戦略上の合理性および経済合理性等を総合的に勘案して保有し、これらの合理性のないものは縮減しております。個別の政策保有株式について保有目的、リスク・リターン、資本コスト等を考慮し、取締役会にて政策保有株式の保有状況および保有方針を確認しております。その議決権行使にあたっては、当該企業の中長期的な企業価値向上に資するかどうかの観点から、当該企業のコーポレート・ガバナンス体制および提案内容を評価し、総合的に賛否を判断のうえ、議決権を行使しております。

5. 資本政策

  1. (1)当社は、継続的な企業価値創造のため、成長投資を優先する一方、当社の業績と中長期的な資金需要を勘案し、配当と自己株式の取得を合わせた適切な株主還元を目指しております。
  2. (2)資本コストを考慮した投資判断、事業の評価、ROEを評価指標とする経営陣に対する業績連動報酬の導入など、資本コストを意識した経営を行いROE・ROIC等の資本効率指標の向上に継続的に取り組んでおります。

6. 株主との対話

  1. (1)当社は、以下の体制により、株主との建設的な対話を促進しております。
    1. 1)

      当社は、以下の体制により、株主との建設的な対話を促進しております。

      1)IR 担当執行役員を定め、CEO兼社長またはIR担当執行役員が、機関投資家向けの決算説明会ならびに中期経営計画説明会において、経営成績、財政状態、中期経営計画の内容・進捗状況等を説明しております。また、事業説明会を開催し事業状況等を説明しております。
    2. 2)毎年、CEO兼社長または IR 担当執行役員が、国内外の機関投資家との面談により上記を説明しております。また、必要に応じて独立社外取締役を含む取締役が対話を行う機会を設定するものとします。
    3. 3)対話により得られた投資家の意見や質問は、定期的に経営陣へフィードバックを行っております。
  2. (2)株主との対話に際しては、インサイダー情報の適切な取り扱いに努めております。

7. 情報開示方針

  1. (1)ディスクロージャーポリシーを定め、情報開示の組織・体制を整備し、全社協力体制を構築することにより、情報開示の質を高め、迅速、正確、積極的かつ公平な情報開示に努めております。
  2. (2)ホームページには、決算財務情報のほか、当社の事業内容等の会社情報、環境への取り組みやレスポンシブル・ケア等の CSR 情報を含むサステナビリティ推進活動、研究開発への取り組み等を掲載し、株主や投資家への会社情報の発信に努めております。

コーポレート・ガバナンス体制図

コーポレート・ガバナンス体制図

経営システム

1. 取締役会

取締役会は9名の取締役からなり(内4名が、独立性ならびに豊富な企業経営および事業運営の経験を有する独立社外取締役)、原則として毎月1回開催し、経営戦略の方向付けを行い、重要な意思決定を行うとともに、取締役および執行役員の職務の執行を監督しております。なお取締役会議長は取締役常務執行役員の髙橋成治が務めております。

独立社外監査役2名を含む監査役3名全員が出席し、意見陳述を行っております。

2022年度は17回開催し、各回に取締役および監査役の全員が出席しました。

取締役会の諮問機関として報酬諮問委員会および指名諮問委員会を設置していますが、その詳細は、本頁上部に掲載しているコーポレート・ガバナンス報告書のⅡ『経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況』の1.「機関構成・組織運営等に係る事項」の【取締役関係】における「任意の委員会の設置状況」の「補足説明」をご参照ください。

2. 経営会議

意思決定の迅速化と業務運営の効率化を図るため、CEO兼社長およびCEO兼社長が指名する執行役員または部長により構成される経営会議を原則として毎週1回開催し、当社グループの経営の基本政策、経営方針、経営計画にかかわる事項ならびに各部門の重要な執行案件について、審議および方向付けを行い、または報告を受けます。経営会議における審議事項のうち、重要な案件については取締役会に上程し、それ以外のものについては経営会議の審議を経てCEO兼社長が決定しております。なお常勤監査役も参加しております。

3. 経営課題会議

CEO兼社長およびCEO兼社長が指名する執行役員により構成される経営課題会議を原則として毎月1回開催し、当社グループの経営の基本政策および経営方針にかかわる事項ならびに個別案件の背景にある基本方針、事業戦略の変更について、前広な議論あるいは情報・課題認識共有により方向性の討議を行い、取締役会、経営会議の審議に反映させております。

4. 役員会議

CEO兼社長および全執行役員により構成される役員会議を開催し、経営の状況および課題の周知徹底を図っております。なお常勤監査役も出席しております。

5. 監査役会および監査役

監査役会は、社外監査役2名を含む3名の監査役によって構成し、監査役会規程に基づき原則毎月1回開催し、重要事項について報告、協議、決議を行っております。社外監査役2名は、それぞれ弁護士と公認会計士で、かつ独立役員であり、専門的見地と独立した立場から監査を行っております。
監査役は、監査役監査基準に基づき取締役会のほか経営会議等の重要な会議に出席し、重要な意思決定の過程および業務の執行状況の把握に努めるとともに、会計監査人ならびに取締役および使用人から報告を受け、審議のうえ監査意見を形成しております。

6. 内部監査および監査役監査、会計監査の状況

  1. (1)監査役監査
    監査役の監査につきましては上記「5.監査役会および監査役」に記載のとおりであります。
  2. (2)内部監査
    当社では当社グループの内部統制システムの実効性の向上を目的に、「経営監査室」を設置し、監査計画に基づき、各部門、国内外の当社グループ各社を対象として、コンプライアンス監査および業務監査等の内部監査を定期的に実施し、その結果をCEO兼社長、関連部門、常務監査役等に報告すると共に、定期的に監査計画および監査結果を取締役会および監査役会に報告しています。
  3. (3)会計監査
    1. 1)当社の会計監査人は、有限責任あずさ監査法人です。
    2. 2)監査役と会計監査人との連携につきましては、監査役は会計監査人と緊密な連携を保ち、会計監査人の監査計画の聴取や監査結果の報告を受けるだけでなく、期中においても必要な情報交換、意見交換を行っております。

7. サステナビリティ推進会議

当社グループは、企業理念に立脚して様々なステークホルダーと良好な関係を築き、信頼され必要とされる企業となるため、企業活動を通じた価値創造により、すべてのステークホルダーに貢献するサステナビリティ活動を推進する目的で「サステナビリティ推進会議」を設置しております。サステナビリティ推進会議は、当社がCEO兼社長を議長としてサステナビリティ活動の実務を推進する部門横断の会議体として設けています。サステナビリティ推進会議は、ESGSDGsに係わる内外の情勢を踏まえて、サステナビリティ活動方針を始めとしたサステナビリティに関する事項を審議・調整する会議体であり、経営企画、生産技術、調達物流、品質保証、環境安全、研究開発、人財開発、経理、財務、広報、総務、法務・コンプライアンス、システム戦略、サイバーセキュリティ統括、サステナビリティ推進、ダイバーシティ推進、デジタルソリューション事業、ライフサイエンス事業、合成樹脂事業を担当する執行役員で構成することで、当社グループのすべての事業と機能に亘る体制をもって運営しています。サステナビリティ推進会議の傘下には、「サステナビリティ委員会」、「環境安全品質委員会」、「リスク管理委員会」、「企業倫理委員会」の4つの委員会があります。サステナビリティ推進会議はこれら4つの委員会の活動を統括・指導し、原則年4回の定例会議と臨時会議を通じてマネジメント強化と推進に努め、取締役会に活動報告を実施しています。